気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「ま。そういうことなんでゆっくりご飯食べちゃってくださいよ。お嬢様なのにコンビニ飯で申し訳ないですけど」
「とんでもないです。ありがとうございます」
持ってきてくれた袋の中には、おかかのおにぎりやミルクのちぎりパンのほかに、お茶とフルーツジュースまで入っていた。
スーパーで売られている格安の冷凍麺ばかりを食べていたから、贅沢すぎるくらいだ。
「ほんと、全然ゆっくり食べてもらって大丈夫なんですけど、叶愛サン、今日はこのあとちょっと出かけますよ」
おにぎりの一口目を飲み込んだタイミングで、龍くんがまろんを撫でながらそう言った。
「出かける……って、私もですか?」
「はい。今日から歴君のマンションに移ってもらうんで」
「っ! え?」
上ずった声が出る。
「ここは旧事務所の建物なんで、住むにはあんまりですからね」
「………」