気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「昨日から色々お世話になりっぱなしですみません……。歴くんのお付きの人の方なのに」

「あはは、歴君の側近はオレの他にもいるんで大丈夫ですよ。というか、その中で叶愛サンのお手伝い係に選んでもらえて嬉しかったですね、オレって歴君に信頼されるんだなーって」



直後エンジンがかかり、車が動き始める。

フロントミラー越しに一瞬だけ目が合った。



「歴君って用心深いっていうか人に対して潔癖っていうか、本当に信用してる奴しか傍に置かないんです。あんだけデカい組織仕切ってるトップの側近がオレ含めて三人しかいないとか、ありえないっすよ」

「そうなんですか?」

「です。あれだけの地位もってる人間なら、普通は周りにたくさん人侍らせて権力示したがるんですけどねー」



そういうものなのか……と勝手に勉強になった気で相づちを打つ。
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