気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
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歴くんが仕切る組織――櫻流会の事務所は、
繁華街を北に抜けた先に建つ古いビル群の一角にひっそりと存在していた。
旧事務所に比べて辺鄙な場所にある上に、表には剥がれかけた麻雀の看板が付いていて、誰が見ても恐らく潰れた雀荘だと思うに違いない。
特徴もないビルなので、一人で来いと言われたらきっと道に迷ってしまう。
「こんな入り組んだ場所にあったんですね」
「事務所なんてもんは見つかりづらくてなんぼですからね〜」
そういうものなのかと、ここでまたひとつ勉強になる。
事務所はミラーガラスに覆われていて、外からは中の様子がわからない。
人の気配があるようには思えないけど……。
廃ビルとも言えるくらい暗い雰囲気を放つ建物を、ごくっと息を呑んで見上げる。
「車で待っててください。歴君呼んでくるんで」
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歴くんが仕切る組織――櫻流会の事務所は、
繁華街を北に抜けた先に建つ古いビル群の一角にひっそりと存在していた。
旧事務所に比べて辺鄙な場所にある上に、表には剥がれかけた麻雀の看板が付いていて、誰が見ても恐らく潰れた雀荘だと思うに違いない。
特徴もないビルなので、一人で来いと言われたらきっと道に迷ってしまう。
「こんな入り組んだ場所にあったんですね」
「事務所なんてもんは見つかりづらくてなんぼですからね〜」
そういうものなのかと、ここでまたひとつ勉強になる。
事務所はミラーガラスに覆われていて、外からは中の様子がわからない。
人の気配があるようには思えないけど……。
廃ビルとも言えるくらい暗い雰囲気を放つ建物を、ごくっと息を呑んで見上げる。
「車で待っててください。歴君呼んでくるんで」