気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

夜と変わらず丁寧、ではあるけど、どこか余裕がない、ような……。

歴くんに押さえつけられるまま、ずるずるとソファの奥に沈んでいく。


キスをしながら服の中に手が入り込んできて、あ、本気なのかも……と。


元々そういう目的でマンションに連れて来られたわけだから、全然嫌じゃない。

嫌じゃないけど、どうして今なのかわからない。



「歴くんまだお昼ですよ、」

「夜からだと時間足りねーもん」

「ひぁ……ぅ」


昨夜何度も拡げられた部分に指先を添えられれば、布を隔てていても堪えきれない声が零れた。


や……っ、どうしよう。

こういうことをするのは夜、ご飯を食べて、お風呂に入って、その後だと思ってた。


心の準備が全然できてない。


下着だって、急いでたから衣装ケースの一番手前にあったのをテキトウにつけてきただけ。

恥ずかしながらブラとショーツの種類も違うと思う。


もっとも、男性が好きそうな可愛いデザインのランジェリーなんて持ってないんだけど……。
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