気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
欲が湧かない。金にも女にも。
京櫻の地位に興味も執着もない。
立場を色々と利用できて便利ではあるので、高い下駄を履かせてくれてありがとう、みたいな感謝の気持ちくらいはあるけど。
両親のことを好きだと思ったことも嫌いだと思ったこともない。
両親だけじゃなく誰に対しても同じだ。
あまりに人生退屈なので、本部の役員に色んな遊びを教えてもらったけどハマれるものは何一つなかった。
勝っても敗けてもどうでもいい。
楽しいとも思わないし、バカバカしいとも思わない。
結局、シゴトが一番退屈しない。
遊び心でうちの事業を伸ばしてみたり、他社の事業を潰してみたり。
面白みはなくても、事業を抱えている限りやることは絶えないので暇つぶしにはもってこいだった。