気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「一週間じゃ全然足りねえな……」
今日も今日とて、歴くんの腕の中で意識を手放しかけていたとき、そんな声に引き戻された。
「一週間と言わずもっと休ませときゃよかった。明日から仕事の合間に家に戻っても叶愛いないってことだろ」
「………」
ふと不安に駆られる。
歴くんの相手ができるのは、学校から帰ったあとだけになる。
“やっぱり俺にとって不都合な存在だ”とか思われたら、捨てられちゃうのかな……。
想像したら涙がこみ上げてきそうになった。
こうして優しく触れてくれるのも、今日までだったらどうしよう。
「………歴くん」
「うん?」
「………」
何も言葉が出てこない。
自分でもどうして名前を呼んだのかよくわからなかった。
ただ……離れたくない。
すぐ隣にいるのに、もっと近くにいきたい。
体温を感じたい。