気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす


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今日こそは一緒にご飯を食べよう。

そう思って、先にお風呂から入った。


十八時を過ぎたあたりから落ち着かなくなる。

たった一日合わなかっただけなのに、おかしいな。


冷蔵庫に入れておいたビーフシチューを再び火に掛けながら、歴くんが帰る瞬間を待っていると、間もなく扉の開く音がした。


火を止めてから、玄関へ急ぐ。



「おかえりなさい、歴くん」

「……ん、……ただいま」


なんだか声に元気がないように思えた。

事務所で仮眠とっただけだから、相当疲れてるんだろうな。



「お仕事お疲れ様です。お風呂も沸いてますし、ご飯も今ちょうど今温めたところで……──ひゃっ?」



靴を脱ぐなり荒々しく壁に押し付けられ、びくりとする。

戸惑っているうちに、指先がスカートを捲りあげた。



「れ、きくん……やめ……、んん、っ」

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