気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
帰ってくるなり……というのは今までもあったけど。
今日はなんだか様子が違う。
いつもは優しく笑いながら『ただいま』って言ってくれるのに。
名前を呼びながら何回も何回もキスしてくれるのに……。
「脚開けよ」
「やっ……ぁ、っ」
それでも、歴くんに教えこまれた体は、荒々しい刺激からでも無理に快楽を拾ってしまう。
怒ってる……?
私、何かしちゃったかな……?
余裕のない頭で必死に考える。
強制的に、淡々と与えられ続ける快楽はとても苦痛だった。
ぐ、と押さえつけられれば、あまりに強い刺激にあっけなく上り詰める。
「……こんな状況でも感じられるって、ほんと……優秀だねお前は」
「……っ、は、」
「今まで誰と重ねてたの」
「……、え……?」
重ねてた……?
何の話を……してるんだろう。
歴くんが何に対して怒っているのかわからない不安と、冷えきった瞳に射抜かれる恐怖で支配された頭はうまく働かない。