気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
あんまりそういうことされると、心臓持たなくて看病どころじゃなくなるからやめろ。
――あまりに馬鹿丸出しのセリフだったので、どうにか喉奥にとどめた。
ほんと……この子といると自分が自分じゃなくなる。
続きを言わない俺を叶愛は不思議そうに見ながら指先を絡めてきた。
「やっぱり、歴くんの手のひらってあったかい……」
「……ん。手よりあったかいもの持ってきたから食いな」
ずっと握っていたかったけど、それだと永遠に食べさせられないので、心が痛みながらもやんわりと手を解く。
上半身を起こさせて、スプーンを口元までもっていく。
「歴くん……これ……」
「雑炊。食べれる?」
「もしかして……歴くんが作ってくれた……の?」
「叶愛がつくってくれてた汁で炊いただけだけどね」