気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
すると直後、叶愛の目から大きな涙がぽろっと零れてきて。
「っ、なに。これ、嫌?」
「……ちが……、嬉し、い……。歴くんが、私のこと、ちょっとでも気にかけてくれて……」
熱で弱っているからとはいえ、素直な気持ちをぶつけられると、こちらのブレーキだって勝手に緩んでいく。
「ちょっとどころじゃない。毎日毎日、四六時中、お前のことしか考えてないよ俺」
一旦スプーンを引いて唇を奪った。
「……ぅぅ、風邪うつっちゃうよ……?」
顔を真っ赤にしながら、上目づかいで見つめられ、理性がほんの少しだけ溶ける。
「いーよ。俺に移したら、早く楽になれるかも」
「ん……っ」