気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
二回……三回……角度を変えて、もう一回だけ。
病人にこれ以上は負担を掛けられないと、五回目は未遂。
えらい。ちゃんと踏みとどまった。
「よし。……じゃあご飯食べような」
「………」
「叶愛?」
「……あと七回……」
「うん? ……ななかい?」
「キス……。歴くんが帰ってこなかった日の数ぶん、まだ足りてないよ……?」
ぐわっと全身に血がめぐる。
ちゃんと数えてたのか。
しかも、会えなかった日の数だけねだってくるのか。
さっきとは違う意味で胸が押し潰されそうになる。
自分がこの子にとことん弱いことを実感した。
ちゃんと七回落としてやって、ようやく雑炊の番。
食べ終わったあとに白湯を飲ませてから、一旦ベッドを離れた。
叶愛がつくってくれたご飯を味わって食べて、さっと風呂に入って。
それから急いでベッドに戻り、小さな体を抱きしめながら眠りについた。