気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

見つめられたら、昨日の熱がぶり返したみたいに頭のブレーキが緩んでいく。

気持ちを仕舞っていた箱の紐がいとも簡単に解けそうになる。



「わからない……です」

「はあ?」

「愛され方がわからないから……。歴くんが教えてくれないと、わからないです」



歴くんの手を取った。

視線が絡んで。引き寄せられて。


ゆっくりと、歴くんの体重がかかる……──。

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