気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす


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一回、二回、三回………。

歴くんがしてくれること全部覚えておきたくて、キスの回数をいちいち数えていたけど、甘さでぐちゃぐちゃになってすぐにわからなくなった。


息をつく暇もないくらいずっとキスをしてる。

少しずつ深くなっていく。

でも、全然乱暴じゃない。

大事に大事に熱を伝えてくれるから、私もそれに応えたいと思って、恐る恐る舌を絡めた。


刹那、わずかに歴くんの体が揺れた気がして。

もしかして失敗したかな、下手だったかなって、不安になったけど。



「そんなに可愛いことして、どうしたいの」

「ん……っ、ぁ、」

「もっかいやって。叶愛から……して、深いの」


一度唇を離して、ねだられる。

恥ずかしさで頭がくらくらする。


でも、歴くんの命令は魔法みたいに私を操る。

触れないぎりぎりのラインで焦らしてくる唇に、考えるより先に自分のを重ねてしまった。


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