気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

濡れた感触が伝わって、体が甘く痺れた。

鼓動の休まる暇がない。


歴くんのキスはあったかくて心地よくて、もともと大好きだったけど、
気持を自覚した今、感じるのはそれだけじゃない。


胸の内側から歴くんへの気持ちが際限なく溢れてくる。

優しく唇に触れられるたびに、その気持ちが柔らかく溶けていって幸せに変わる。



「ね……叶愛、何回もしてんのにまだ足りない。俺、おかしい?」

「っ、ぇ」


心臓が痛いくらいにぎゅっとなった。



「可愛くて止まんない、叶愛がもうやめてって言わないと、もっとやっちゃいそう」


火傷したんじゃないかってくらい、ほっぺたがチリチリ熱い。



「……やめないで、いいです……歴くんになら、もっと、されたい……です」



目をつぶった瞬間、甘すぎる熱に呑まれる。


知らなかった。

気持ちが伝わるキスって、こんなに幸せだったんだ……。

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