気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

当たり前に全然聞いてくれない。


でも、今日くらいは課題を残したままでもいいかな……なんて。

歴くんに弱すぎる私はすぐに観念してしまう。


それに、絶対言えないけど。

私だって……今日はもしかして……って、ちょっと期待してたんだもん。


ここ二週間くらい、中間テストの勉強で忙しくて全然歴くんに触れられなかった。


最初は、いつもみたいに甘いことされてたら勉強どころじゃない、困る、なんて思って。

『ほどほどにお願いします』って言ったら、テスト期間中、本当にキスしかされなくて。


いざ、歴くんが手を出してこないと寂しくて、
隣で眠りながら、ひとり悶々としていた日もあった。


歴くんには絶対言えないけど、テストが早く終わらないかなってずっと思ってた。
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