気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「そういえば、テストもう終わったんだっけ?」
ベッドにあがってそう尋ねながら、しれっと私の服を脱がしにかかる歴くんに早くもどきどきする。
「はい、水曜日に終わりました」
「水曜? 今日じゃなくて?」
「中間は科目数が少ないので……」
「うわ、そーいうこと? じゃあ俺は二日も要らねー我慢をしてたわけね」
「ひぁ、……そこ、や、っ」
自分は冷静に話してる裏でこういうことするの、意地悪くて、ほんとにずるい。
話の内容、全然頭に入ってこない……っ。
前にも似たようなことがあったのを思い出す。
夜に、事務所の役員の人から電話がが掛かってきて。
歴くんはその人と話しながら、何食わぬ顔で私の服の中に手を入れてきたんだ。
声出しちゃだめだよって、人差し指を口元に当てて、悪い顔で笑ってた。