気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「なんかとろけた顔してるけど大丈夫?」
くすっと笑われて、顔が急激に熱くなった。
歴くんのせいなのに……っ。
恥ずかしさでじわっと涙が出た。
少しだけ睨んでみる。
でも、なんの効果もなかったみたい。
満足気に笑われておしまい。
「そんで、テストどうだった? ちゃんと解けた?」
「はい、しっかり勉強したので……それなりには……」
「へーえ、偉い。ご褒美あげないとな」
にこっと笑われれば、不覚にも心臓が跳ねた。
「ご褒美……くれるんですか?」
「うん。何がいい?」
いざ尋ねられると、特に浮かんでこない。
今は歴くんといられるだけで満たされてるからなあ……。
でも、してほしいことは、ある……。
「じゃあ……キスがいいです。最近あんまり、できなかったから」
「っ、……待って、だめ」