気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「だ、だめですか……?」
ちょっとショックだった。
いつもしてるのに、だめとかあるの……?
「いや……ただの自滅」
「……?」
ひとりごとだったのか、聞き取れずに、顔をのぞき込んでみる。
「………歴くん?」
「……いーよ。じゃあ、ご褒美くださいって言えたらキスしよっか」
「なっ、……えぇ」
思わぬ試練を与えられてしまった。
歴くんは意地悪だから、言わない限り本当にしてくれないかも。
キスできなかったら、その先のことも、全部お預けになっちゃうのかな……。
テストまでずっと我慢してたから、それはちゃっと困る。
「ご、ご褒美ください」
「だーめ。棒読みすぎ」
「うぅ、ご褒美、ください、っ」
「ちゃんと俺の目見て言って?」
「〜〜っ、もう、や」
近づいてきた唇が、触れる寸前のところで止まって。
この二週間の我慢が、いっきに弾けた。
「……んっ」
後先考えず、操られるように自分から押し付けてしまう。