気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

早まっちゃった。
大胆なことしちゃった。


そんな焦りは、すぐに歴くんによって打ち消された。



「ん、……あ、っ」


キスをしながら、後ろへ後ろへ、ぐいぐい押しやられる。

あっという間に追い詰められて、壁にドンっと背中が当たって逃げ場を失った。



両方の指先が絡んで、壁に磔にされたみたいに身動きができないまま、唇から熱が入り込んでくる。


キス……いつもより激しい……っ。


甘い感覚が全身を巡って、すぐに力が抜けた。


歴くんの腕に支えられながら、体はゆっくりベッドへ倒される。


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