気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「……どうしたんですか?」
「叶愛ちゃんと話がしたくて来たに決まってるじゃん」
距離を詰められた。
「ねえ。まだ僕と結婚する気にはならない?」
「……申し訳、ありません」
「どうしても?」
「……はい。好きな人がいるので」
「そうなんだ。じゃあ、これ見ても、考えは革は変わらないかな?」
「え?」
手渡されたのは封筒だった。
「中、見てみなよ」
なんだか嫌な予感がする。
言われるままに、おそるおそる、封を切った。
「……っ、───」
衝撃が走って、危うくそれを廊下にばらまいてしまいそうになる。
指先は震えていた。