気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「やっぱりしばらくの間、歴くんと暮らしてて……。絶対、すぐに迎えにくるから」


──大丈夫だと、自分に言い聞かせる。


蘭野くんがあの写真をつかってお父さんたちを脅したとしても、

お父さんには、先に歴くんとの契約がある。


結納はまだだったけど、京櫻との事業を提携する契約書に、お父さんのサインがちゃんとあった。



きっと大丈夫……。

私は歴くんと結婚できる。


蘭野くんだって、冷静になればわかってくれるはず……。


スクールバッグからルーズリーフを取り出して机に広げる。

震える手で歴くんへのメッセージを綴った。


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