気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「……うん、そうだね、……ありがとう」
笑わなきゃ。
そう思った瞬間、ぽろっと涙が零れた。
あ、れ……?
「お姉ちゃんっ、どうしたのっ?」
瑠衣に心配をかけるわけにはいかないのに、全然止まってくれない。
「どっか痛い? もしかしてお父さんたちにまたなんかされたのっ?」
「ううん、違うよ、ちょっと色々感傷的になってただけ、ごめんね」
袖で雫を拭う。
瑠衣の背中を押して部屋の外へ促した。
「ほら、もう遅いから寝て? 私は大丈夫だから……ね?」
「う、うん……」
部屋にひとりになった途端、また止めどなく涙が溢れてくる。
口の隙間から嗚咽が漏れて、子どもみたいに泣いてしまった。
「っ……歴くん…、 会いたい……」
──────。