気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「言ってることがよくわからない。君、この前俺に、お姉ちゃんは小さい頃からずっと蘭野くんが好きだったって言ってたよね」

「……はい」


「じゃあ何も問題ないだろ」

「違うんです……叶愛お姉ちゃんは、僕に心配かけないように嘘ついてたんです」


「嘘?」


「ほ、ほんとは……蘭野くんは、脅して……酷い人で……、お姉ちゃんは毎日部屋で泣いてて」


気が焦っているのか文脈がめちゃくちゃで意味がわからない。

わからないけど……。


「泣いてた? あの子が?」


食い気味に聞いてしまうあたり、俺も余裕を失っているみたいだ。


一度だけ深く息を吐く。


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