気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
蘭野との婚約の話が、叶愛にとっては不本意なものだったのでは……と、
瑠衣はそこで初めて疑いを抱いた。
父親の書斎に忍び込んで、蘭野から送られてきた封筒を確認すると、
中にはコンカフェで働いている叶愛と、その証拠となる写真が入っていた。
中の文書には、これに加えて、
店が禁止している枕営業をしていた疑い、さらに店の金を盗んだ疑いがあること。
婚約を認めなければ、この情報を公にするといった内容が記されていた。
蘭野が脅して婚約を図ったことを知り、なんとか破棄させようと両親に頼み込んだが
お前には関係ないと怒鳴られ、何もできず、自分の無力さを実感する。──────