気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「ねえ、それってさ……もしかして“この男”のことだったりする?」


目の前にスマホを突きつけられた。


「っ、──」


画面に焦点が合った瞬間、ぐらりとめまいがした。



そこに写っていたのは歴くんと。

──その隣で楽しそうに笑う、ラムさんの姿だった。



どうしてこの二人が……?

それに、どうして蘭野くんが歴くんのことを知ってるの……?



「あはは、すごい顔してるね叶愛ちゃん。叶愛ちゃんが京櫻と一緒に住んでたのは知ってたよ。きみに結婚を断られたあと、きみの周辺をずっと調べてたから……」


そんな……。

途端に寒気が走った。



「ふーん、やっぱりきみの好きな人って京櫻なんだ。でも、可哀想に……。遊ばれてただけだもんね」

「……、……え?」

「この写真見たらわかるでしょ。もう他の女に乗り換えたんだよ。……あ、こっちも見せたほうがわかりやすいかな」



画面の上で写真がスライドする。

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