気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「な、なんだよ僕の部屋に勝手に入ってきて……警察呼ぶぞ!」
「すいませんねぇ、うちの歴君もヒマじゃないんですよ。応じてもらえそうになかったので、“ウチのやり方”で失礼させてもらった次第です」
「……は、あ?」
「歴くんは先程、あなたよりも、あなたのご両親にお話したほうが早いと判断されましてね。今、“あなたの罪”について、説明を差し上げているところです」
一歩、距離を詰めた龍くんに対して、
蘭野くんは壁に背中がぶつかるまで大きく退いた。
「……なんのことだか、さっぱりわからないけど」
「とぼけても無駄ですよ。証拠も上がってます。……あなたと“あの女”のやり取りのスクショ画像がね」
スマホの画面を見せられた蘭野くんの顔が、途端に青ざめていく。
「ネタとしてはなかなか美味しかったので、うっかりSNSにあげちゃいました」
にこっと微笑んだ龍くん。
「……、う、うそだ……うそ、うわああああぁぁぁ!」