気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「…………」

「とりあえず歴君と合流しましょうか、もうそろあっちの話もつく頃だと思うんで」



そう促されて部屋を出る。


蘭野のお屋敷の長い長い廊下を歩きながら、龍くんはゆっくりと説明してくれた。



龍くんの話によれば、私の鞄にお店の十万円を入れたのは、ラムさんで。

ラムさんにそうするよう指示をしていたのが、蘭野くんだったという。



蘭野くんはラムさんに大金を渡して言うことを聞かせていたらしい。

さっき龍くんがスマホで見せていたのは、たぶんそのやり取りのスクショ画面。



そういうことだったんだ……。


あの事件すら蘭野くんの計画範囲内だったことはショックだけど、

事の真相が明らかになったことで、心のわだかまりがほんの少し軽くなった気がした。

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