気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「きゃーっ、ノアたんどうしたのそんなとこに座り込んで! 大丈夫っ?」
通路のカーテンが突如開き、きらりさんが顔を覗かせる。
「お、おはようございます……っ。大丈夫です、すみません! すぐ着替えて準備します!」
慌てて立ち上がって頭を下げた。
「待ってノアたん。その前にノアたんに渡すものがあるんだ」
「え、私にですか?」
「うん! 先週渡すべきだったんだけど、ノアたんが退勤するとき店内バタバタで手が回らなくて今日になったゃった、ごめんね!」
そう言いながら、きらりさんはポケットから何かを取り出した。
「他のキャストさんに見られるといけないものだから、ここでこっそり渡すね?」
差し出された封筒をとりあえず受け取るものの、これって……。
「なんか、お札が大量に入っているような気がするのは気のせいでしょうか……」
「そう! 歴さんがノアたんにって、チップをくださったの〜っ」