気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

──そういうことだったんだ……。

急に気持ちが冷えていく。


私が貧乏学生だって知ったから、こんなお金を……。


何もかも腑に落ちた。

車で送ってくれたのも、キスも、全部。

同情だったんだ……。


“キスが嬉しかった”……なんて、一瞬でも感じて馬鹿みたい。



封筒の厚さの感じ、五十万……いや、それ以上の額は入ってそう。


受け取りたくない。

苦しい生活を続けるより、今までの努力を同情のお金で帳消しにされるほうが、私にとってはよっぽど惨めだから。



「きらりさん、このお金、お店の売上にしてください」

「うーん。気持ちはありがたいんだけど、ウチはチップ制導入してないからさ〜、処理が難しいんだよね」

「……あはは、そう、ですよね」


受取を拒否したいけど、きらりさんを困らせるわけにもいかない。

……そうだ。

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