気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「京櫻さんの連絡先を、よかったら教えていただけませんか? その……お礼を言いたくて」

「もちろんもちろん! 歴さんラインはやってないみたいだから電話番号送るね!」


よかった。難なくオッケーしてもらえて。


お礼を言うため、というのはもちろん口実。

こうなったら、もう直接お金を返しにいく方法しか思いつかない。


歴くんにもう一度会わなきゃいけないのは憂鬱だけど、

幸い、黒菊の娘だとはバレてないみたいだし、大丈夫だよね。


送られてきた電話番号を見つめ、拳をぎゅっと握りしめた。



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