気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「黒菊さん、顔色悪いよ。保健室いったほうがいいんじゃない?」
クラスメイトにそう声を掛けられたのは、あの土曜日から一週間と少し経った日のことだった。
たしかに体調は優れないけど、二週間後に期末テストを控えている。
父と義母をこれ以上失望させるわけにいはいかない。
「ううん、大丈夫。心配してくれてありがとう」
そう返事をして再び机に向かった。
その日は珍しくバイトが二連休目だったので、いつもより早めに布団に入ったものの、
やはりよく寝付けないまま朝を迎えた。