気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「大丈夫です」

「よかったあ。じゃあよろしくね! でも、大沢さんにつくのは一瞬でも大丈夫だから」


「一瞬、ですか?」

「うん。ノアちゃんには4番卓の接客を頑張ってほしいんだよね。あの方、ラムちゃん指名だったときもかなりの太客だったんだ」


つまり、大沢さんよりもお金を落としてくれるから、そっちに長く付けってこと?

どちらも同じお客様なのに、そんなに差をつけてしまっていいのかな……。



「席外すタイミングはインカムで伝えるから、よろしくね!」

「は、はい……」


納得がいかないながらも、スタッフさんの指示どおりに席を行き来していたけれど。

案の定、大沢さんの気分を害してしまったみたい。



「ノアたんなんで指名したのに全然席についてくれないんだよ!?」


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