気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

気づけば過呼吸を起こしていて、スタッフさんに抱えられ休憩室へ。

治まっててホールに戻る頃には、大沢さんはもういなかった。


話を聞けば、あのあと大沢さんは我に返ったように大人しくなり、ひたすら謝り倒していたという。


反省している様子だったので警察を呼ぶまでには至らなかったものの

またいつ豹変してもおかしくないということで、出入り禁止をお願いしたと聞いた。


接客しつつ粉々に割れた食器などをスタッフさんたちと片付けているうちに時間は過ぎ、

いつのまにか閉店間際になっていた。



そんなとき。


「ねえ、レジ金が全然足りないんだけど」


追い打ちをかけるようにそんな声が聞こえてきて驚く。
< 73 / 271 >

この作品をシェア

pagetop