気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

──────
──

そのあとのことはよく覚えていない。


私じゃありません、という訴えは誰にも聞いてもらえず。
みんなが蔑んだ目で私を見ていた。


『こんな子だとは思わなかった』

とスタッフさんたちが口々に話しているのを聞いた。



『明日から二度と来なくていいから』

『警察に突き出さないだけありがたく思ってね』


ラムさんにそう言われたときは、もうなんだか目の前の景色が映像のように現実味がなく。


あとは、お店を追い出されるまま、ふらふらと歩いて……きた、気がする。


寝不足が続いていたうえに、ろくに食べもしなかったから、体力はもう限界で。


繁華街の路地裏に座り込んでしまってから

もう何時間が過ぎたんだろう。

< 75 / 271 >

この作品をシェア

pagetop