気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
夜が深くなるにつれて気温も下がっていく。
まろんがお腹をすかせて待ってる。
早くご飯をあげに帰らなきゃ……。
そう思うのに、体は冷え切り、石になったかのように動かない。
まろん、ごめんね。
ごめんなさい……。
あと少し休んだら、ちゃんと帰るから。
意思とは裏腹に、瞼も落ちていく。
またひとつ居場所を失くしてしまった。
──『死んだのがお前だったらよかったんだ!』
ほんと、私だったらよかったのに。
お母さんじゃなくて、私が死ねばよかったんだ。
幼い頃の記憶が、ゆっくりとした走馬灯のように流れていく。