気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「あっ、ノアた~ん、ただいまあ」
「お帰りなさいませ、旦那様」
今日はフリーで卓につくだけかと思っていたら、数少ない私の指名客である大沢さんが来てくれた。
「今日お会いできると思ってなかったから嬉しいです」
「用があって近くに来てたら急に会いたくなってね〜、ご給仕カレンダー確認したらノアたん出勤になってたから寄っちゃったよお」
「わあ、ありがとうございます……っ」
大学4年生である大沢さんはアニメが大好きで、フィギュアを集めたりイラストを描くのが趣味らしく、
今日も手持ちの袋からは美少女が印刷された箱が覗いている。
「今日がグッズの発売日だったんですか?」
「そうっ、ミカりんの伝説の衣装がようやく実装されてしかも色違いバージョンが数量限定だったんだけど争奪戦勝ち抜いてやっと手元に来てくれたんだっ、ふふっ」