気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「介抱してくださりありがとうございました……っ。失礼します!」
急いでベッドから下りようとする私を、歴くんは煙草を灰皿に押しつけながらのんびりと見つめていた。
「今ど深夜だぞ」
「わ、わかってます」
「わかってません。“お前をここに連れてきてから丸一日経った” ど深夜、です」
「………、っ、え?」
急加速していた思考が一旦停止する。
私は丸一日眠ってたってこと……?
「お前、結構危なかったんだよ。医者呼んで二回も点滴打って」
「そ、うだったんですか……。大変、ご迷惑をおかけしました……」
親切にしてもらいすぎて戸惑いすら覚える。
ただ……丸一日も経ってるなら、なおのこと早く帰らないと。
まろんが何も食べれずに弱ってしまう。