気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
初めて着たバスローブは、思ったよりもちゃんとした服のかたちをしていて安心したけれど。
下着をつけていない状態は、やっぱりひどく心もとない。
どれだけ引き寄せても胸元が開くし、重ねただけの布の隙間からは少し動いただけで太ももが見えてしまう。
鏡には、貧相な体。
おまけに、父からの暴力によってできた痣もまだ残っている。
どうしよう、私……汚い、かも。
抱かれる前に幻滅されて、捨てられたらどうよう……。
泣きたくなったのをぎりぎりのところで堪えて。
腰の紐を再度ぎゅうっと締めなおしてから、お風呂場をあとにした。