SENTIMENTALISM

体中が燃えてるみたいに熱い。
焼けていく肌を虫がはいずり回っているようだ。

「そんな生き方、あなただけで充分だ」

すると急に綾子さんは大きな声で笑いだした。
とても、大きな声で。

「いつかねぇ、りくもなるのよ。気付いたらなるのよ。だって、あなたあたしにそっくりだもの」
「どこが……」

「愛してくれる人がいないところ」


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