SENTIMENTALISM
twelve


綾子さんが落ち着いたところで、あたしと慧斗は綾子さんの家を後にした。

外は雨あがり夕焼け空が広がっている。空気が少し冷たい。

二人は横に並んでただ黙って歩く。あたしは何を話せばいいか分からないまま足の先ばかりを見て歩いて、慧斗の方も時折鼻をすする音が聞こえてくるだけで何も話してこなかった。


たった5センチ。
それだけの距離が、こんなにも遠いなんてあたしは今まで知らなかった。

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