SENTIMENTALISM
梨沙はあたしにニコッと笑った。
笑うと、また可愛くなる。
「ね、君、名前は?」
「相田りく」
「あたし、原野梨沙っていうの。青色のリボンってことは特進クラスだよね?頭いいんだねー!」
「……そんなことないよ」
あたしみたいな人間が頭良いはずなんかない。
馬鹿みたいに必死になって勝ち取ったこの青色のリボンも、
本当は何の意味も効力もなかったのだ。
それを毎日つけていたことが今では滑稽に思える。
「謙遜~?ま、いいや。お礼に面白いとこ連れていってあげようか?りく、つまらなそうな顔してるし。りくみたいなコ、あたしらの周りにはあんまりいないからきっとアイツらも気に入るよ」
その日、あたしは始めて学校を抜け出した。
これが今へと繋がるストーリーになる。