SENTIMENTALISM


誰もいないリビング。
冷たいフローリングに座り込んで、あたしはぼんやり天井を見上げていた。

小さなシミが隅に一つ付いているだけで、あとは真っ白だ。



時計の針が一秒一秒を刻む音が響く。
あたしはその音にただひたすら耳を傾けていた。


「ただいまー」

玄関が開く音がして、あたしは顔を天井から戻して、リビングの扉が開くと口を開く。

「おかえり」

< 2 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop