SENTIMENTALISM


慧斗はゆっくり立ち上がり、あたしの投げ捨てたリボンを広いあげると、あたしに差し出した。


「生きてたら色々あるよ。当たり前じゃん。辛くなるまで頑張った君はいい子だよ」

その声が、優しくて

優しすぎて

受け取ったリボンを顔に押し当て泣いた。



慧斗が頭を撫でてくれたあの温かさは今でもまだ覚えてる。

誰かに頭を撫でてもらうのは、これが始めてだったから。


< 27 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop