SENTIMENTALISM
「……ここしかないんだよ。もうあたしにはこの場所しかないんだよ?」
涙を流しながら、自嘲的な笑みを浮かべる。
馬鹿みたいに頑張っても家はあたしの居場所にはならなくて
学校も偽りと吐き気しかなかったあたしにとって
慧斗も玲も梨紗も綾子さんもいるこの場所は、あたしのたった一つの温かくて居心地のよい"あたしでいられる場所"だったのに。
「お前のためだ」
玲は、ハッキリとその言葉を口にした。