SENTIMENTALISM
six
次の日からは、二ヶ月前の生活に逆戻りした。
家では、他愛もない話をしながらもふとした瞬間に、母のあたしを通り越した先にいる春樹を見る柔らかな視線に気付いては理解っていながらも激しく脱力して
学校では、悪口の言い合いっこと普通クラスにたいする優越感の話に、馬鹿になって同じように相槌をうった。
日常という激しい渦に自ら身を投げて、あの二ヶ月間のお日様のような匂いを思い出さないように必死だった。
それでも、ため息をつくふとした時間の隙間に
いつだって頭をよぎるのは、みんなといた二ヶ月間だった。