SENTIMENTALISM
seven
玲と始めて会ったときのことは今でも鮮明に思い出せる。
不安というガスによって膨らんだあたしの心が、慧斗の柔らかな言葉という針によって破裂したとき、涙が込み上げてきた。
今まで溜め込んできたものが涙という滴になってあたしの中から溢れて流れ出てきたみたいだった。
そんなワンワン泣いているときに、突然リビングの扉が開いて綺麗なブロンドの髪で日本人離れした顔立ちをしている青い瞳の男の人といきなり目があったものだから
あたしはその凛とした美しさを前に
すぅっと背筋が凍って涙もピタッと止まってしまったのだった。