SENTIMENTALISM
何か答えなくちゃいけないのに、言葉が浮かばなくて時間だけがまるであたしを追い詰めるかのように過ぎていく。
沈黙のあと、静かな玲の声が耳の奥に響いた。
「でも、いいよ。俺はお前が慧斗のこと好きだってこと分かってるから」
びっくりして、すぐさま顔をあげて玲を見る。
「……え…?」
「お前自身まだ気付いてないんだろうけど、見てたらわかる」
「……そんなこと…」
否定しようとした瞬間、心に棘が刺さったみたいにチクリと痛んだ。
光が射すように、慧斗の笑顔が浮かんだ。