SENTIMENTALISM
「今日、綾子さんは?」
玲が目線をあたしに向ける。
「まだ、来てないみたいだよ」
「ふーん。あの人も自由人だからな…」
綾子さんも、溜まり場のメンバーの一人で
1番年上の26歳。
妖艶的な美貌を持つ綾子さんは、愛人契約なんかで月に有り余るほどのお金を貰っているらしい。
そして、慧斗が住むこの部屋もどういうワケか、綾子さんが支払いをしている。
「りく、飲み物」
玲がそう言うと、あたしは黙って冷蔵庫にむかう。
玲の俺様体質は今に始まったことじゃない。
そして、なぜか1番あたしを使う。
本人いわく涼しい顔で『お前が1番使えるから』だそうだ。
変な主従関係。