SENTIMENTALISM



あたしを巻き込みたくないという想いはわかるし、それはとても有り難いことだ。

だけど、


「ありがとう玲。だけどあたしはやっぱり放って逃げたりできないよ。だって、あたしはもうみんなの仲間だと思っていいでしょ?」


哀しい恋に溺れる梨紗のことも

痛々しい爪を持つ綾子さんのことも

こんなあたしを好きだと言ってくれた玲のことも

そして、

息の詰まるような世界にいる慧斗のことも



この手で捨てるなんて出来ないよ。


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