それでもキミと、愛にならない恋をしたい
けれどメンタリズムや心理学など学術的なもの以外は、都市伝説やスピリチュアルな要素が強く信憑性にかけていて、どれも参考にはならなかったそう。
触れるたびに私の心の中が彼に伝わってしまうのは、恥ずかしさはあるけど嫌悪感はない。それよりも先輩と手を繋ぎたいという気持ちのほうが断然大きい。
これもまたしっかり伝わっていたらしく、「……自転車がなかったら、今ここで思いっきり抱きしめてた」と道端で言われ、先輩が自転車通学でよかったと少しだけホッとした。そんなことをされたら、恥ずかしくて倒れてしまいそう。
「じゃあ、私部活行くね」
「うん。また明日ね」
京ちゃんが南校舎にある美術室へ行くのを見送り、私も教室を出て図書室へと向かった。